記録メディアQ&A~第2回~

kiroku3

質問内容
先日5歳になった娘のお遊戯会のDVDを田舎の母に送ってあげようと思いたったので
普段はパパしか触らない引き出しを開けてみました。私にも間単にできると思ったのですが、説明書を読んでもサッパリわかりません。それは…
DVDのパッケージの裏面に「1層式」「2層式」といった表記があるんですけど、厚みが変わってるわけでもないし、「1層式」と「2層式」は何が違うんですか?
(投稿者:マキティさん/愛知県/主婦/32歳)

答え

メディ夫君:博士!これからはやっぱり1層式ですかねぇ~?

博士:ん~、どうじゃろう? ワシは2層式がいいと思うがね。

メディ夫君:でも、2層式って面倒じゃないですか?

博士:確かに面倒だが、作るのには大変な技術がいるんじゃぞ!

メディ夫君:でも技術の話をするら、やっぱり1層式の方がスゴくないですか?

博士:いやいや。2層式の方が大変じゃよ。

メディ夫君:1層式でしょう?

博士:いや、2層式じゃ!

メディ夫君:はぁ・・・これだから年寄りは頑固で・・・

博士:「はぁ」とはなんじゃ!しかも、博士に向かって「年寄り」とは!

メディ夫君:なにキレてるんですか~!

博士:キレるに決まっておるじゃろう!
メディ夫君:ちょっと待ってくださいよ~!博士はいったい何の話してるんですか?
博士:何の話って記録メディアの話に決まっておるじゃろう!

メディ夫君:あぁ~記録メディアの話だったんですね!

博士:当たり前じゃろう!ここは、そのためのラボなんじゃぞ!

メディ夫君:あ、そうでしたね。

博士:そうでしたねじゃないじゃろう!

メディ夫君:キレない!キレない!

博士:じゃ、君はいったいぜんたい何の話をしてたんだね?

メディ夫君:もちろん洗濯機ですよ~!今どき2層式がいいなんていうから、やっぱりおじいちゃんだなぁなんて思っちゃいましたよ!アハハ!
博士:笑いごとじゃない!とことん人を年寄り扱いしおって!

メディ夫君:まあまあ!落ち着いて!この前も高血圧でお医者さんから怒らないようにって言われてるんですよね?
博士:そ、そうじゃった・・・。取り乱してしまって恥ずかしいのぉ。

メディ夫君:ところで、博士!

博士:なんじゃ?

メディ夫君:話は変わるんですけど、記録メディアにも2層式とか1層式とかあるんですか?

博士:急に真面目になりおって!しかし、君はこのラボに入って何年になるんじゃ?

メディ夫君:3年です!

博士:3年もいて記録層のことも知らんとは・・・。記録メディア、とくにDVDやCDには層があるのは初歩中の初歩。常識中の常識なんじゃがのぉ。

メディ夫君:今や洗濯機が1層式っていうのも常識中の常識なんですけどねぇ・・・

博士:ん?なんだって?

メディ夫君:いや!何でもないです! それで、そのDVDやCDの2層式や1層式っていうのは何なんですか?

博士:では、まず記録層のことから説明せんといかんのぉ。

メディ夫君:お願いします!

博士:そもそもDVDなどの記録メディアがいろんな層が積み重なって出来ているのは知っておるな?

メディ夫君:いいえ!

博士:ん?

メディ夫君:いえ、はい!もちろん、知っています!

博士:今回は一般的な記録メディアとしてDVDで説明するが、DVDはポリカーボネート素材の基板で、記録層や反射層などを挟んで作られておるんじゃ。

メディ夫君:食パンが基板で、ハムやレタスが記録層で、つまりDVDはサンドイッチのように出来ておると考えるとわかりやすいじゃろう。

博士:ベタじゃが、わかりやすい例えじゃのう。というか、誰のマネをしておるんじゃ!

メディ夫君:まぁまぁ!さ、博士、続きを!

博士:このようにいくつも層が重なって出来ておるDVDじゃが、1枚のDVDの記録層に保存できるデータ量、つまり記録容量には限界があるんじゃなぁ。

メディ夫君:4.7GBですね!

博士:その通り!DVDはCDの約700メディ夫君Bに比べたらおよそ7倍と、かなり大きい容量を持っておるんじゃが、近年のデータの大容量化によって4.7GBでも容量が少なくなりつつあるんじゃ。

メディ夫君:ハイビジョンモードで撮影した映像をDVDに焼くと、録画した映像が全部入りきらない時があるんですよね。

博士:データの大容量化を、メディ夫くんも経験では知っておるようじゃのぉ。

メディ夫君:なんでか入りきらないかはわからないんですけどね、エヘヘ。

博士:エヘヘじゃない!そこで、だ!

メディ夫君:そこで?

博士: DVDの記録容量を増やして、もっとデータを入れることはできないか?と考えたんじゃなぁ。

メディ夫君:それが出来たら最高です!でも、どうやって?

博士:そこで出来たのが、2層式という方式じゃ!

メディ夫君:キターーー!2層式!

博士:テンションの上がり方がおかしいのぉ。まぁ、それはいいとして2層式の話じゃ。
メディ夫君:そうです!早く2層式の話を!!

博士:今まで1層しか挟んでいなかった記録層を2層、つまり記録層を2枚挟み込めば、容量も倍増するんじゃないかと考えたんじゃなぁ。

メディ夫君:単純ですね!

博士:そう!考え方は単純じゃ!しかし!

メディ夫君:しかし?

博士:しかし、記録層を単純に2枚重ねて挟み込んでも容量は2倍にならないんじゃ。
メディ夫君:どうしてですか?

博士:そもそもDVDの記録層は反射層とセットで出来上がっておる。これを2枚重ねると、データを読み込むためのレーザー光線が1層目の反射層で跳ね返ってしまって、2層目の記録層にレーザーが届かず、2層目の記録層のデータを読み込むことも、書き込むこともできないんじゃ。

メディ夫君:えぇ~!じゃあ、どうしたらいいんですか!

博士:対策の一つとして取られたのは、両面2層式という方式じゃ。

メディ夫君:両面2層式?

博士:メディ夫君は若いから知らんじゃろうが、その昔レーザーディスクという記録メディアがあったんじゃ。

メディ夫君:名前は聞いたことあります。

博士:映像なら約2時間分を記録できるということで、映画ソフトの販売によく使われていたんじゃ。
メディ夫君:2時間なら確かに映画にちょうどいいサイズですね。

博士:しかし、このレーザーディスク。片面に60分、片面に60分で、両面合計120分記録できるという代物だったんじゃ。

メディ夫君:問題無いじゃないですか!

博士:確かに問題は無い。ただ、片面60分ということは、60分経過したら一度ディスクをプレイヤーから取り出して、ディスクをひっくり返してプレイヤーに入れ直して再生するという作業をしなくちゃならんぞ。

メディ夫君:問題は無いですけど、ちょっと面倒ですね。

博士:このように両面2層式というのは、記録層と反射面をDVDの表裏それぞれに挟み込み、表裏両面にデータを記録できる方式ということなんじゃ。

メディ夫君:なるほど!つまりレコードと同じってことですね。

博士:レコードは知っておるのか?

メディ夫君:はい。だから、なんでレーザーディスクなんてもので説明するのかなぁって不思議に思ってました!

博士:例えが悪くてすまなかったのぉ!

メディ夫君:スネない!スネない!

博士:スネてなんかおらん!

メディ夫君:でも、博士!

博士:なんじゃ?

メディ夫君:両面2層式は対策の一つって言ってましたよね?他にも対策があるってことですか?

博士:もちろんじゃ!

メディ夫君:それも教えてくださいよ!

博士:これから説明しようと思っておったところじゃ!それをスネたのなんだのと言うから・・・ブツブツ・・・

メディ夫君:うわぁ・・・根に持つタイプだな・・・

博士:なんじゃって?

メディ夫君:いえ!なんでもないです!もう一つの対策の話を!

博士:そう!もう一つの対策!それが片面2層式じゃ!

メディ夫君:片面に2層挟むんですか? でも、それだと2層目が意味無くなるって、さっき博士が説明してましたよね?

博士:普通の反射層と記録層の組み合わせならのぉ。

メディ夫君:意味深な言い方ですね!早く教えてくださいよ!

博士:確かにメディ夫君が指摘した通り、普通の記録層と反射層を組み合わせものを2枚重ねても意味はない。そこで!

メディ夫君:デターーー!博士のそこで!

博士:やっぱりテンションの上がり方がおかしいのぉ。ま、それはいいとして、開発者はこう考えたんじゃ。1層目の記録層と反射層が透けていれば、2層目の記録層と反射層にもレーザーが届く、と。

メディ夫君:透けた記録層と反射層!それが普通じゃない記録層と反射層なんですね!

博士:ただし透けていると言っても、完全に透明だと1層目を素通りしてしまって1層目に記録できなくなってしまう。

メディ夫君:ダメじゃないですか!

博士:そこで、1層目の記録層と反射層は半透明にして作ったんじゃな。すると、見事に1層目にも2層目にもデータを記録することができるようになったんじゃ!

メディ夫君:考えましたね~!

博士:考えられておるじゃろう!そして、半透明の層を製造し、挟み込むという技術!最初に言ったように1層式より2層式の方が技術的に大変だというのは、こういうことなんじゃ。

メディ夫君:勉強になりました!じゃ、これからのDVDは4.7GBから片面2層の9.4GBが主流になるんですね?

博士:おっと!いい質問じゃ!片面2層式の記録容量は、理論上は2倍の9.4GBになるんじゃが、エラーに対するためにちょっと1層ずつの容量を減らして4.25GBずつトータル8.5GBで製造されておるんじゃ。

メディ夫君:ん~、ちょっと残念ですね。

博士:それでも、今までのDVDと同じ再生方式、記録方式、同じ規格で容量を約2倍にさせたのは相当大変なことなんじゃよ。

メディ夫君:確かに規格が変わったらプレイヤーやレコーダー、ドライブも全部買い換えないといけないですもんね。

博士:その通りじゃ。記録メディアの技術進歩のすごさがわかったかのぉ? このおかげで、低コストでワシのラボの大量のデータもすっきり整理できるってもんじゃ!ワハハ!

メディ夫君:なにがワハハだよ・・・その浮いたコストでラボに1層式の洗濯機を買ってほしいですよ・・・ブツブツ・・・

博士:ん?なんじゃって?

メディ夫君:なんで助手が博士の白衣の洗濯までやんなきゃなんないんだよ・・・ブツブツ・・・

博士:メディ夫君は根に持つタイプかもしれんのぉ・・・